降水採取方法
1. 調査目的
本調査は,酸性沈着物の成分分析を行うことによって,北海道の酸性沈着物 の状況を把握し,降水の酸性化等に関する機構解明を目的としている。
2. 調査概要
| (1)札幌 | : | 北海道環境科学研究センター屋上(札幌市北区北19条西12丁目) |
| (2)苫小牧東部 | : | 苫小牧地方環境監視センター屋上(苫小牧市静川173-3) |
| (3)苫小牧 | : | 苫小牧市環境センター屋上(苫小牧市旭町2丁目9番地) |
| (1)調査実施機関 | 北海道 環境生活部環境室環境保全課 |
| 環境科学研究センター | |
| 苫小牧市地方環境監視センター | |
| (2)調査協力機関 | 苫小牧市 |
2. 3 採取装置
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沈着物の採取方法は,沈着物を溶解性成分及び不溶解性成分に分けて採取する方法である。採取装置は,環境庁の第一次酸性雨対策調査で用いられたろ過式雨水採取装置及び雪採取装置(〜平成4年度)とろ過式採取装置に融雪ヒーターを装備したろ過式降水採取装置(平成5年度〜)を用いている。
なお,本方法(バルク)によって採取された試料には一部の乾性沈着物(非降水時に沈着するガスやエアロゾル)も含まれ,降水時開放型の採取装置(ウエットオンリー)に比べ,pH及び成分濃度(H+濃度以外)は高めとなる傾向にある。
2. 4 採取サイクル
サンプルの回収は札幌は原則として1週間毎(昭和63年度のみ半月毎),苫小牧東部は原則として半月毎,苫小牧は平成5年度までは半月毎,平成6年度以降は1月毎に試料を回収している。また,月末の回収時にはロート等に付着している粉じん等も洗浄,回収し、沈着量にのみ加算している。
なお,採取サイクルが長い場合には,難溶性成分も溶出しやすく,pH及び成分濃度(H+濃度以外)は高めとなる傾向にある。
2. 5 測定項目
降水試料は,採取中に0.8μmのポアサイズのメンブランフィルターでろ過されており,試料回収後は実験室内で,電気伝導率,pHは直ちに測定した。他の成分のための試料は0.2μmのポアサイズのメンブランフィルターでろ過し,分析まで冷蔵庫で保存した。
測定項目は以下の通りである。
水素イオン(H+:pH),電気伝導率(Cond.),硫酸イオン,(SO42-),硝酸イオン(NO3-),塩化物イオン(Cl-),アンモニウムイオン(NH4+),ナトリウムイオン(Na+),カルシウムイオン(Ca2+),マグネシウムイオン(Mg2+)及びカリウムイオン(K+)
| (1) | pH | ガラス電極法 |
| (2) | Cond. | 電気伝導率計 |
| (3) | SO42, NO3-, Cl-, NH4+, Na+, Ca2+, Mg2+, K+ | イオンクロマト法 |
| ただし,平成8年度まではNH4+はインドフェノール法,Na+, Ca2+, Mg2+, K+は原子吸光法にて測定を行っていた。 | ||
2. 7 非海塩由来成分の算出法
非海塩由来成分(non-sea salt: nss-)の算出においては,海洋観測指針(日本海洋学会,1990)の海塩組成比を基に,(1)Na+が全て海塩由来である(2)海塩由来成分の挙動は同様であり,海塩組成比が保たれていることを前提に算出している。
すなわち,以下の式で算出している。
非海塩由来硫酸(nss-SO42-)= SO42-濃度-0.120×Na+濃度
非海塩由来カルシウム(nss- Ca2+)= Ca2+濃度-0.044×Na+濃度